【マガレンジャー活動】7/18(土)19(日)麓花と交流@倶知安町
7月18日(土)・19日(日)の一泊二日、マガレンジャーは倶知安町へ出かけてきました。
今回の旅の目的は、倶知安風土館を中心に活動している子どもたち「麓花(ろっか)」との交流。そして、お互いの地域の湿地や森を歩きながら、そこに暮らす生きものについて知り、記録することです。
宮島沼からは小学生から高校生までの隊員9名と副隊長、サポートとしてミヤボラNさんが参加。麓花からは中学生3名、そして倶知安風土館の職員や倶知安町地域おこし協力隊のみなさんが参加してくださいました。
しかも、麓花の中には、一昨年の交流活動で会ったことのある少年がいました。久しぶりの再会です。
倶知安風土館の「イチオシ」を紹介してもらいました
まずは倶知安風土館へ。
自己紹介と名刺交換からスタートしました。子どもたちの名刺交換、なかなか堂に入っています。大人顔負けです。
その後は、お互いの湿地について紹介し合い、麓花のみなさんからは「倶知安風土館のイチオシ展示」をプレゼンしてもらいました。
最初に登場したのは、生きたイトウ。
水槽の中をゆったり泳ぐ姿を間近で見ると、とても美しくて、ずっと眺めていたくなります。

そしてこちらは、巨大なイトウの剥製。
「こんな大きな魚が本当に尻別川を泳いでいたのか!」という驚きとともに、大人たちは「これ、もし売ったらいくらになるんだろう……」などと、ちょっと下世話な想像も。

もう一つ、興味深かったのがニセコアンヌプリ山中で発見された零戦の主翼です。
雪の研究家として知られる中谷宇吉郎博士が、ニセコアンヌプリ山頂で着氷実験に使用したものが、終戦直後に山頂から谷へ投棄され、平成に入ってから発見・回収されて展示されています。

子どもたちはもちろん、大人も興味津々。麓花のみなさんの説明を聞きながら、展示をじっくり見学しました。
「交流プログラム」なんていらなかった?
館内をひと通り見た後は、それぞれ自由に展示を見て回りました。
そこで面白いことが。
昭和のくらしを再現した畳の部屋に、将棋盤と碁盤が置いてあります。
最初は誰かと誰かが1対1で将棋を指していたはずなのに、いつの間にか回り将棋が始まり、さらに囲碁盤で無理やりオセロまで始まり……。
気がつけば、子どもたちが大集合。

「交流プログラム」として何かを用意しなくても、遊びが始まれば交流は自然に生まれるんですね。
魚を解剖して、最後はサンドイッチ!
続いて、倶知安風土館学芸員の小田桐さんから尻別川の魚について教えていただきました。

宮島沼やその近くを流れる石狩川にも魚がいるはずなのに、そういえば隊員たちは魚のことをあまり知りません。
ということで、魚の体を知るために解剖に挑戦。
食べるためにさばくのとは違い、内臓や骨、筋肉を分けながら観察していきます。
心臓、胃、腎臓、腸、浮き袋……。

「魚もちゃんと生きものなんだなぁ」と感じながら作業した……かどうかは、本人たちのみぞ知るところです。
そして、解剖が終わったら、いよいよ実食。
魚の命を無駄にはしません。

みんなで粉をつけて焼いて、パンに挟んだら……
ニジマスサンドの完成!

みんな、おいしい顔になっていました。
雨の森へ。コウモリと巨大ナメクジを探せ!
夕方になっても雨は止みません。
それでも雨具を準備して、倶知安の森へ向かいました。
目的は二つ。
コウモリの観察と、外来種マダラコウラナメクジの捕獲です。
結構な本降りです。
でも、子どもたちは雨なんてお構いなし。
マダラコウラナメクジを見つけると、嬉々として捕獲していきます。外来種とはいえ、生きもの探しには違いありません。
途中ではオニヤンマの羽化後の抜け殻や、オオウバユリの花なども発見しました。
そして森の入り口にある、コウモリのねぐらへ。
普段のコウモリ観察では、バットディテクターを使って超音波を聞いたり、防風林から飛び出してくる姿を薄暗がりの中で追ったりするのが精一杯です。
ところが今回は違いました。
満員御礼のねぐらを出入りするコウモリを、目の前でじっくり観察することができました。

しかも、コウモリの声を自分の耳で聞くことまでできました。
種類によっては、人間の耳にも聞こえる周波数の声を出すそうです。
巨大なナメクジと、間近で見るコウモリ。
ずぶ濡れになったことも、これなら帳消しです。
二日目は半月湖へ
二日目は鏡沼へ登る予定でした。
ところが前日の雨で登山道はぬかるみ、滑りやすくなっています。
そこで予定を変更して、半月湖へ向かうことにしました。

深い森の中を歩いていると、意外なことに気づきます。
前日の雨の影響が、ほとんどないのです。
途中でにわか雨が降ってきても、森の中ではあまり濡れません。
木々の葉が、雨粒を受け止めてくれているのです。
また、森を歩きながら、宮島沼周辺との違いも見えてきました。
半月湖の森には、宮島沼周辺ではあまり見かけないシナノキ、ミズナラ、ダケカンバなどがたくさんあります。

一方、宮島沼周辺でよく見るヤチダモやハンノキは、ほとんど見られません。
どちらも「木がたくさんある森」なのですが、よく見ると、そこにいる植物の組み合わせがまったく違う。
だから、森の雰囲気も違って見える。
そんなことを、実際に歩きながら感じることができました。

雨の湖で、生きもの探し
森を抜けると、雨に煙る湖面が見えてきました。

湖では、水の中にいる生きものを探したり、カメラを入れて水中を撮影したり。
雨で濡れて、湖でも多少濡れて。
それでも子どもたちは気にしません。
生きものを見つけること、撮影することに夢中です。
「交流」って、こういうことなのかも
今回の二日間で、マガレンジャーと麓花はすっかり仲良くなりました。
一緒に展示を見て、魚を解剖して、魚を食べて、雨の森を歩いて、コウモリを見て、ナメクジを捕まえて、湖の生きものを探して。
「交流の時間」をわざわざ作らなくても、一緒に何かをすれば自然と会話が生まれます。
今回の交流は、お仕着せではない「本当の交流」になったのではないでしょうか。
そしてもう一つ、大きな発見がありました。
同じように木が生い茂る森でも、場所が変われば、そこにいる生きものの組み合わせが変わる。
気候や地形、湿地、森などの環境の違いが、生きものたちの暮らしに影響しています。
さらに、生きものは一種類ずつ独立して暮らしているわけではありません。
植物、昆虫、鳥や哺乳類など、さまざまな生きものが複雑につながっています。
そんなことを、頭で勉強するのではなく、二日間の体験を通して感じることができました。
雨にも負けず、ずぶ濡れにも負けず。
とても濃密で、得るものの多い二日間でした。

今回出会った生きもの
百年の森
オニヤンマ(抜け殻)
ヒナコウモリ
マダラコウラナメクジ
半月湖
トノサマバッタ
マツシタトラカミキリ
ノコギリカミキリ
コクワガタ
ゴマシジミ
エゾゼミ
オバボタル
ヒメヤママユ(幼虫)
カナヘビ
樹齢300年のミズナラ
シナノキ
ミズナラ
ダケカンバ
マイヅルソウ
エゾアジサイ
オオウバユリ
ヒシ
タニシ
スジエビ
エゾマイマイ
ほか多数!!!
この事業は、アジアを拠点に、主に付加価値の高い不動産の開発と管理を行う、「パシフィック・センチュリー・プレミアム・ディベロップメンツ」の支援のもと、「倶知安町等の団体との交流を通じた子どもたちの環境教育と保全活動の推進」として、一般社団法人バードライフ・インターナショナル東京と宮島沼の会の共同事業として実施しています。



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